キャリアプラン

調整仕事ばかりを続けるとどうなる?調整仕事から抜け出す方法を実例付きで紹介!

linuslab

大企業にお勤めの方で「調整業務が多くてスキルが身につかない」というお悩みを抱えている方は多いかと思います。

事実として漠然と調整業務を続けても社内事情に詳しくなるばかりで、今の会社でしか仕事ができない人材になるリスクがあります。

なぜなら、調整業務自体に求められるものはコミュニケーション力よりも社内事情の理解度の色が強く、調整業務の経験で身につくスキルがなく業務経験として評価されないためです。

この記事では、大企業に在籍しながら調整業務から抜け出した私zaiwaがオススメする調整仕事からの脱出方法を解説します。

この記事を読んでいただくことで、調整業務に費やす時間を減らし、勤務時間の大半を自分自身の経験となるような業務に費やす為のロードマップが理解できるようになります。

無駄な調整業務を整理し、空いた時間で成果が出やすい専門業務に従事、社内での専門人材としてのポジションを構築、という形で調整人員から抜け出すプロセスを紹介します。

調整業務とは?

企画等によって新規のアクションを行う際に、部署間で発生するコミュニケーションや交渉を調整業務と呼びます。

新しい広告を作る際にプロモーション部門に照会して許可をもらう、後で文句を言ってくる可能性がある部署に事前に一報を入れておく、、等が代表的な例として挙げられるかと思います。

調整業務をもう少し細かく分類すると、企業内で分業が進んだために発生している調整業務と、調整自体が目的になっている調整業務に分かれます。

分業化によって発生した調整業務

大企業はその人員の多さがゆえに仕事や部門が細かく分かれています。

細かく分かれることで部門間の見通しが悪くなる上、単独の部署が持つ裁量の範囲も狭くなるために部門間での調整業務が生まれます。

営業部門と製造部門が分かれているため、営業部門だけで増産が判断できず製造部門と調整する等が該当します。

内容や状況によっては交渉力が強化されますが、慣れてくると予定調和が続き交渉自体が単調になるため新たなスキルや経験が身につきづらくなってきます。

調整すること自体が目的の調整業務

部門自体の業績評価が売上等の数値で示せないような部署では「社内での存在感や業務量」が評価指標となり、存在感を示すためだけに調整を求めるケースがあります。

該当の評価指標両方を増やす手っ取り早い方法として、自分の部署に調整が入るようなスキーム・ルールを増やすといった手法が取られ、その結果にとして調整せざるを得ない状況に陥るといったケースが該当します。

このような調整業務は本質的に価値を生むものではないため、いくら調整がうまくなっても社外からは評価されません。

調整業務を続けるとどうなるのか?

調整業務を続ける一番のデメリットは「その会社でしか通用しない人材になること」です。

終身雇用が成立しなくなってきた現在では、他社で通用しない人材でいること自体が非常に高いリスクになります。

調整業務が他社で通用しないのはなぜか?

調整業務で一番必要なものは「その会社の事情や相手の部署の事情を知っていること」です。

ビジネスを進める上で、相手の立場を理解し相手にメリットのある提案ができるようになることは非常に重要ですが、社内事情を知っていてもは他社では活かせません

在籍歴の長さによる社内事情・社内ネットワークの詳しさだけでできる調整経験は社外から見た時に評価されづらいため、自社に閉じたスキルとして扱われてしまいます

自社に閉じない業界独自の文化や慣習は「業界知識」として他社でも使えるケースがあるので、一概に慣習を知っている事が悪いことではないですが社内でしか通用しない知識には注意しましょう!

zaiwa
zaiwa

調整業務から脱出する為のロードマップ

明日から調整業務をゼロにすることはできませんが、徐々に調整業務との距離をおいて業務時間における調整業務の割合を減らしていくことはできます

具体的には調整人員として扱われやすい特徴のない器用貧乏の社員から、徐々に専門性を付けていくことで調整業務に回されづらいスペシャリストとしての地位を得ていくことで、調整業務の割合を下げていく手法をオススメします。

私zaiwaは実際に以下の4ステップを進め、業務内の調整仕事の割合を激減させ専門職としての地位を社内で確立し、ストレスフリーな生活を送っています。

調整業務から脱出するまでのステップ
  1. 自分やチームでの調整・雑務を少しずつ効率化させて作業時間を減らす
  2. 空いた稼働で専門性のある業務(マーケティング・分析など)を行う
  3. 専門業務の実績を元に、類似の業務を自分やチームに集める
  4. 上長と交渉、専門業務の稼働を増やすことを理由にして調整・雑務を減らす

この内容だけ見ると「そんなに上手くいくのか?」と思われる方も多いと思いますが、それぞれのステップのポイントさえ押さえていただければ、再現性高く調整業務を減らすことができます。

少しずつでも調整業務を減らして、業務時間は自分の市場価値が上がるような業務を行えるように徐々にシフトしていきましょう!

zaiwa
zaiwa

Step1 自分やチームの調整業務・雑務にかかる時間を減らす

専門業務に取り掛かるにしても、スキルと空き稼働両方が無ければそもそも専門業務を行うことすらできません

業務を効率化して一日の業務時間が調整と雑務でパンパンの状態を抜け出すところから始めていきましょう。

こののステップを行うことで業務時間にゆとりができると思いますが、ゆとりができたことを積極的に上司に話す必要はありません。稼働が空いたところに別の調整・雑務を入れられては意味がないので注意しましょう。

業務を棚卸しして効率化する対象を決める

ターゲットを決めずに闇雲に効率化をしようとしてもなかなか上手くはいきません。

一度に全ての業務を効率化することは難しいので、まずは効率化するターゲットを決めてください。ターゲットにするタスクはレポート作成や定期報告など、定期的に実施するものの方が効率化した効果が長く持続するのでオススメです。

効率化はツールの導入やプロセスの改善で行った方が楽なので、以下の観点のいずれかに当てはまるものをターゲットにするようにしましょう。

効率化の対象にしやすいタスク
  • コピペなど同じ作業の繰り返しが発生するもの
  • 承認作業やダブルチェックなどの実際に手を動かさないもの
  • メールチェック・電話等の1日のうち頻繁に発生するもの

コピペなど同じ作業の繰り返しが発生するもの

繰り返し発生するタスクはプログラムを使って自動化しましょう。そんな簡単に言われても、、、と思われる方も多いと思いますが、自分でプログラムによる自動化が行えるようになると今後の作業が非常に楽になります。

コピペ、ファイル名変更、ファイル管理など、同じことの繰り返しの業務にご自身もしくは部下が携わる方は是非トライしてください。最初の1つ目のタスクを自動化するのは大変だと思いますが、2つ目以降はそれほど稼働もかからず実装ができるようになるので非常にコスパのよいスキルになります。

どうしてもプログラミングは難しいという方は、キーボードのショートカットを覚えてみてください。地味ですが、よく使う機能で必要なショートカットを覚えるだけでも仕事の効率はだいぶ変わってきます。

自動化に役立つツール
  • GAS(GoogleAppScript)
  • VBA(Visual Basic for Applications)
  • Selenium(Python)

承認作業やダブルチェックなどの実際に手を動かさないもの

承認作業等の実際に手を動かすことがない作業は改善の余地が非常に多く潜んでいます。目的やチェックポイントが曖昧なタスクは無駄な作業なので削ってしまいましょう

チェックを減らしたら危ないのでは?と思われる方もいると思いますが、チェックポイントが曖昧なものなど惰性で続けていたり過剰なチェックになっているものは削っても大きなリスクはありません

長く続いている大企業ほどそういったタスクは多数存在するので、是非見直してみてください。

タスクを増やすタイミングは多くありますが、見直しでもしない限り減らすタイミングがないので残りがち。

zaiwa
zaiwa

削減する対象に迷う場合は、「チェックポイントの明確性」と「見落とした場合のリスク」で決めることをオススメします。

チェックポイントが不明確なものは「ポイントだけ決めてそれ以外は見ない」と割り切ってもいいですし、見落とした場合のリスクが低いもの(間違えたとしても後でカバーできるもの)はバッサリと削ってください。

メールチェック・電話等の1日のうち頻繁に発生するもの

業種によりますが、メールや電話、Slackなどのチェックを一日に何度もしてしまう人はチェックするタイミングをまとめてしまうのも手です。

「仕事ができる人=マルチタスクがこなせる人」というイメージが日本では強いですが、スタンフォード大の研究ではマルチタスクが生産性を下げることがわかっています

日に何度もメールチェックをしてしまうとメールチェックの度に集中が途切れるため、メールチェックの時間を決めてそこで集中して処理してしまうことで、メールチェックと他作業の集中力が増加、作業効率が改善します

また、専門性を活かす業務はまとまった時間を確保してその中で集中して作業をしなければいけないことも多いので、自分が集中できる環境の作り方を学ぶ意味でもこの改善はオススメです。

効率化できるタスクが見つからない時は

効率化できるタスクが見つからない時は今持っているタスクを可能な限り細分化してみてください。

一見複雑な業務であっても、細かく分解する事で自動化できるポイントや他の業務とまとめられるポイント、実はいらなかった作業などが見えてくると思います。

近年DXが進んでいるように、今ある仕事をもう一度見直し、再定義することで改善できるところはいくらでも出てきます。効率を改善する経験はどこでも役に立ちますし、突き詰めればそれ自体が市場価値を上げる専門性になりますので是非トライしてください。

Step2 専門性が必要な業務を少しずつ始める

山積み状態になっているタスクを整理して、多少でもゆとりができてきたら専門性業務の着手に移りましょう。目安として日々の稼動の5%程度が安定して自由に使えるようになったらこのフェーズに移ってください。

最初はすぐに成果は出ないと思いますが、このフェーズは実務経験を積むことが目的なので失敗を気にする必要はありません

私はこのフェーズに半年~1年程度費やしました。

今後身につける専門性の方向性を探していくフェーズでもあるので、焦らずじっくり時間をかけることをオススメします。

zaiwa
zaiwa

取り組む業務の選び方

取り組む專門業務はご自身が得意な業務、今後伸ばしていきたいスキルに関わる業務を中心に選んでください。

この段階で一本に絞る必要はありません、ご自身の適性を見極めるフェーズでもあるので可能性があるものは選り好みせず積極的に取り組みましょう。

指示された業務でない限りは失敗したり、途中で止めてたとしても社内の評価が下がるリスクは少ないので、ほぼノーリスクでの挑戦が可能です。

取り組みやすく専門性が身につきやすい業務

取り組む專門業務に迷う場合は「関係会社や関連部門コミュニケーションが取りやすい業務」または「所属部門内で業務に必要なツールが揃っている業務」を選ぶことをオススメします。

詳しい人が身近にいれば基本的な質問もしやすく、自身の業務に関わりが近いために理解の進みが早いため、取り組むハードルはかなり低くなります。

例としては、ビジネス部門に所属している場合は調査系部門の人に聞きながらGoogleAnalyticsを自分で使ってみる、調査依頼をする前に自分で少しデータを見てみる、などが挙げられます。

Step2に取り組む際の注意点

このフェーズで新しい業務に取り組む際は長期に渡って実施するタスクや、対応しなかった場合に事業に問題が起きるようなタスクの取り扱いは避けましょう。

そのタスクに自分自身の適性がなかった場合、専門性が身につかない新たなタスクだけ増えただけの状態になりStep1に逆戻りする可能性があります。

Step3 専門業務を自分やチームに集める

Step2で成果が出せるもの、やっていて苦ではないものが見つかったらこのフェーズに移りましょう。

このフェーズでは、自分の目指す専門性に関係がある業務で対応が求められているものを探して自分のタスクとしてください。急にそんな都合のいい仕事は現れない・・と思われるかもしれませんが、ここで紹介する方法を使ってみてください。

Step1で浮いた稼働をここのフェーズで費やしていくことになると思います。専門性に関係ない業務を受けすぎるとStep1に戻ってしまうので、「自分は何がしたいのか?」を意識しながら動きましょう。

zaiwa
zaiwa

自分の専門性が活かせる業務の探し方

突然上司や同僚から「〇〇できる人を探してます!」と声をかけられることはめったにありませんが、仕事の進め方や対応で困っている人に「〇〇できますが協力しましょうか?」と声をかけるだけで仕事はかなり見つかります。

どのような会社でもチーム等の定例で課題を抱えている人はかんたんに見つかると思うので、「その人の悩みが自分の専門性で解決できそうか?」と考えて役に立てそうなら声をかけてみてください。

100%の解決ができないものでも、手が借りれるだけでも相手に取っては十分なメリットになるので積極的に声をかけても迷惑になることは少ないはずです。(そもそも相手が困ってないのに無理に手伝うのはNG)

Step3の目的

このフェーズでの目的は「〇〇といったら君だよね!」と、その業務の専門性が自分にあることを部署やチームに認知してもらうことです。

Step4に繋がりますが、部署やチームの中で「〇〇なら自分が一番できる」という地位を確立しましょう。自分が声をかけなくても、社員から協力を求められるようになればこのフェーズは達成です。

Step4 上長と交渉し、專門外業務の割合を減らしていく

Step3で社内のある程度の地位が確立し、上司が「あなたには雑務や調整業務をやってもらうより、あなたには專門業務をやってもらったほうが良い」と思うようになったらもうゴールです。

以降は新しい専門業務の対応の相談を受ける度に上司と稼働の相談をしてください。

「專門業務を対応するには稼働が足りないので、他の業務を誰かに手伝ってほしい」という交渉をしていけば、新しい専門業務を請け負う度に雑務が減っていく好循環が始まります

まとめ

いかがだったでしょうか?

この記事では調整仕事ばかりの状態から徐々に抜け出して専門性を身に着けていくまでのプロセスを紹介させていただきました。

現在では専門性の需要が高まっており、コツコツとでも專門業務に取り組みスキルを身についけていくことは大きな糧になります。

「私は〇〇の専門性があります!会社でも専門性を活かした業務を行い成果を出しています」と言えるようになることは大きなメリットですので、是非挑戦してみてください。

このブログでは、会社員の立場を維持しながらもスキルを磨いていく方法を紹介していきますので、気になる点や解説のご要望がありましたらTwitterやこのブログ内で是非コメントいただければ幸いです。

ABOUT ME
zaiwa
zaiwa
プロダクトマネージャー/デジタルマーケター
年功序列の日本企業でプロダクトマネージャーとデジタルマーケターを担当している。

転勤を繰り返えす為に専門性が身につかない状況に焦りを感じ、2017年から専門性人材を目指して活動開始。数年で社内の認定制度に合格し専門職へのキャリアチェンジに成功する。

AIやツールを用いたによる業務効率化に強く、成果を出しながら稼働を最小限にする方法を日夜研究中。
記事URLをコピーしました